第10回 立ち廻りの『受け身』~9月~

 ・・・あっつい9月ですね~。 (-_-;)
 皆様こんにちは、はわゆです。
 8月は洗濯物が乾かない月でしたが、9月は乾きまくりですね。
 生きてる実感を噛み締めまくった9月と、あいなりました。
 さて。

 今回は『受け身』の事について、お話してみようと思います。

稽古風景1.jpg【武劇館での稽古風景】 ・・・と、いうのは実は、こうしてHPを立ち上げてから随分と経つのですが、やっと最近、まったく知らない方からメールを戴くようになったんですね~。 
☆♪(^_^)v♪♪☆
 立ち廻りをやってみたいが、受け身が怖いというお話でした。
 確かに。 振り返ってみれば、はわゆサン。 受け身に関しては、色々とありました★

 一口に『受け身』と言っても。
 例えば柔チャンのやっている『柔道の受け身』、はたまた『合気道の受け身』『少林寺拳法の受け身』など。
 厳密に言えば、そのどれもが少しずつ違っているのをご存知ですか? 
 では一体、立ち廻りの『受け身』とはどういうものなのでしょうか。

 『受け身』とは元来、怪我をしない為に行うものです。
 スポーツ(武道を含めて)で、相手に投げられた時に、何もせずに床に叩き付けられて頭でも打った日には、その人の選手生命は終ってしまいますよね?
 ですから選手は、自衛の為に受け身をとるのです。

受け身.jpg【これは、後方受け身】 例えば、道端で思いっ切り転んでしまった時の事を、イメージして下さい。
 つい手を付いてしまえば、手首を挫いてしまいます。
 肘を付けば、を痛め。 が付けば、もしも打ち所が悪ければ・・・骨折か、脱臼
 そのまま勢いで頭を打てば、救急車騒ぎとなるでしょう
 それを防ぐ為にも受け身を取る訳ですが、立ち廻りの受け身は、スポーツのそれとは異なります。
 と、いうのは。
 スポーツの受け身は、それぞれの技に応じた受け身を取ります。
 ですが立ち廻りの場合では、あらゆる立ち廻りに応じた受けの方法を、求められてくるのです。

 例えば『新選組!』の竹刀剣術の稽古のシーン。
 剣道場ですから、そこは板の間です。
剣道.gif そこで皆竹刀を振り回して、闘いながら体当たりするは、足引っ掛けて転がすは、突き飛ばすは。
 勢い余って、転倒する事もあるでしょう。
 受け身の心得のある役者の場合、怪我はまずしません。
 ですが下手をするとかなり、痛い目にあうかと思います・・・・・・。

 『立ち廻りの受け身』は、板の間でもコンクリートでも、アスファルトの上でも。
 どこでも受けを取れるように、指導されます。
 現場で下は痛い場所だと、百も承知で受けを取る訳ですから。
 たとえば(芝居の中で)殴られたリアクションの後、その殴られたスピードを自分でコントロールする・・・等をしてから。
 工夫をしてから、最後に痛みを軽くするような受け身へと変えて行います。

 ですがその時々で、同じ受け方をしていたとしても、 役者は同じリアクションを求められるわけではありません
 本人が、痛いと思った・・・という現実ではなく。 芝居の中で台本に書かれている痛さを求められる訳ですから。
 実は、全然痛くもないのに、痛そうな芝居の時があったり。
 とっても痛かったのに、クールに痛くない素振りをしてみせたり。
 ベテランのスタントマンでも、現場で青タン拵えて自分でもビックリ・・・という事も、少なくありません。 (^_^;)

ukemi_4.jpg【櫓の上から落ちるにも、必要なテクニックとは・・・受身】

atarashi_01.jpg【今回、受け身が痛いことを教えて私達に教えてくださった、大ベテランの新(あたらし)氏】  


 ちなみに、受け身の稽古を、始めたばかりの頃の・・・はわゆサン★
 マットの上でやっていたにも関わらず、何故かマットの上から落ちまくっては、青タンをよく拵えたものです。
 いつも膝とか、肘とかもう、真っ青。
 ですからいつも、はわゆサン。 『サロンパスとは、お友達』だったんですね。 (^_-)-☆

 ずいぶん前になりますが、殺陣師をやってらっしゃる新実氏(あたらし・みのる;林先生の弟子で、金曜時代劇などで活躍中。この道30年を越える大ベテラン)に聞いたお話です。

 新氏は殺陣師であり、役者でもありますが、スタントもなさるそうなのです。

崖.jpg【はわゆサンが想像する、飛び降りて死のう、という高さの崖。 写真は、東尋坊】 それは、崖の上から落ちて自殺する・・・というシーンでした。
 役者はその前まで演技して、肝心の処新氏とバトン・タッチ
 新氏は崖から飛び降り・・・ては、死んでしまいます。
 そこで、水を張った池(このシーンはスタジオ撮影で、水深30センチしかないセット)落ちる事となったのです。
 水深30センチで飛び込んでは、すぐに床に激突ですよね?
 ですから、水の上で受けを取るのです。

 現在、禁止されている所が多いのですが。 水泳で『飛び込み』をした事ってありますか?
 失敗すると、水面にお腹とか叩き付けられて、とっても痛い思いを・・・した事ってないでしょうか・・・?
 ・・・俗に言う『腹打ち』って奴です。
バンジー.jpg【これは、バンジージャンプの画像ですが、まさに、こんな感じ★】 ちなみに、はわゆサンも小学生の頃よくやりました、この失敗・・・。 (^_^;)
 『水の上で、受けを取る』という事は、全身この、腹打ち状態になる・・・って事なんですね。
 飛び込んで死のう、と思う位の高さからやる訳です。
 ですがそこはセットなので、大体高さが2メートルから3メートル位。
 その位置で役者は立つ訳ですから、目線の高さはプラス身長分という事になります。
 そこから落ちて、もしも失敗なんかしたら。
 ・・・痛いなんて事では済まされない、大怪我になってしまいます。

 崖から飛び降りた芝居の流れでしかも、水面に全身を平らにして、受けを取る。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 はわゆサンは思わず、新さんに聞いてみました。
「・・・もしかして、(大ベテランの新さんでも)痛かったですか・・・?」
 新氏は、事も無げに一言。
「痛いよ」
 新氏の、名言です。(これは仲間から聞いた言葉ですが)
「受け身は痛いよ、怪我はしないけど。 怪我はしないんだけど・・・やっぱり、受け身は痛いよ

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