『木の葉返し』と『おとめ』~12月(後編)~

 大晦日が日、一日と迫る昨今ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 こんにちは、はわゆです。
 大掃除と窓拭きと、年賀状書きに追われる毎日・・・。
 毎年いっそ止めてしまえたら・・・と言いつつも、シコシコとこの年末行事に燃えてしまう、はわゆ家であります。
 世間様はどうか知りませんが、昭和一ケタ母と、明治の女に育てられた・・・はわゆサン。
除夜.gif 綿々と続く『日本の伝統』には、逆らえないようです。  (^_^)/~
 さて今回の、このタイトル。
 それは、ある水曜日に行われた『殺陣のレッスン』から、始まるのでございます・・・。

 水曜日の稽古は、どちらかと言えば初心者中心の稽古に始まります。
 この拙い『はわゆサンのHP』を御覧になった方が幾人か、参加に来られたのも水曜日の稽古です。
 初めに体操をして、その日によって『立居振舞』であったり、『転がり方』の稽古であったり。
 無理や強制は致しませんが、自分のレベルに合わせて、参加をします。
 ・・・最近、側転の出来る方が少なくなりましたね・・・と。 そんな事では、ないのです。

tate-dvd.1.jpg【基本稽古のテキストは、こちら! 林流・初段~現代劇編~は、4,800円】 初めの1時間は『みんなの為の稽古』でありますが、2時間目は、個人のレベルによって、別れます。
 やはり初めての方は、稽古の初歩を。
 たとえば、刀に慣れて来た方は、刀法の基本である『10本組手』を。
 この組手をマスターすれば、現場でまず大抵の立ち廻りをこなせる様になるそうです。
 そして『10本組手』を卒業した方には、お楽しみ。
 日によってですが、例えば『10人斬り』をやってみたり。
 舞台形式、テレビ形式。
 林先生が人数に合わせて、殺陣を付けて下さいます。

 ・・・その日の稽古では、1対1の真剣勝負(!)
 つまり、一瞬にして決まる勝負の殺陣でありました。
 打手側は暗殺者であったり、河原の決闘のようなイメージのシーンであったり。
 計4種の殺陣でありましたが、その中に、『木の葉返し』という技が含まれておりました。
 この技は、刀法だけでなく、飛行機の宙返りかなんかでも命名されているみたいですね。
 文字通り、木の葉がくるっと返る間に斬られてしまう・・・というものです。

 この技は『刀法・10本組手』より上級の組手『前後斬り』『左右斬り』(各3本)の、左右斬りに取り入れられている技で、高度な技です。

konoha-1.gif相手が斬ってくる処を、左足を右足の前に進めて、抜き打ちの状態で刀を受ける


konoha-2.gifそして、右から振り向きながら

konoha-3.gif相手の右頸動脈に、斬りつける!


konoha-4.gifそのまま左振向きで、振り返える流れで

konoha-5.gif左足を下げて、納刀をする


 写真でお判りかと思いますが、まず相手が「右胴に水平抜き打ち」で斬って来る所を、自然体(体操で言えば『休め』。 この場合は、手は組まない体勢)から、左足右足の斜め前に進めて、相手の剣を自分の刀を半分縦に抜き受けて(この時、刀はまだ抜ききっていない状態)。
 その足捌きのまま、右から振り返って抜刀して、相手の右頚動脈を水平に狙っていく・・・という技です。
 そして相手に致命傷を与えたら、左足を引き、振り返りながら納刀をします。

 林先生はこの足捌きの注意を、何度も口にしました。

 人のを見て居る時は、あぁ、左足を一歩出したら、そのままやるんだ・・・とは思ってもいても、いざ自分の番になると、思うままにならないのが世の中です。
舞い散る.jpg【木の葉返しのイメージって、こんな感じ?】 つい、もう一歩を、出したくなってしまうのですね。  (>_<)
 ですがこの技は、たった一歩を出しただけで振り返り様に斬って、そのまま振り返った時には納刀している・・・というのが狙い
 もう一歩を出してしまっては、駄目なんです。
 林先生は更に、おっしゃいました。
「この技は、大垣藩にちゃんと伝わる、正木流の本物の居合なんだ」
 ・・・その時、はわゆサンの心に疑問が湧きあがりました。

・・・・・・・大垣藩・・・って、何処・・・・・・?
 仲間に聞いても、首を振るばかりです・・・。  (^_^;)  (※注・・・美濃の国です。)
 その時、はわゆサンはとある一言を、口にしたのです。
「・・・でも藩に伝わる技なんだったら、それは御留流(おとめ・りゅう)だったのかも知れないね・・・」
 その時の、仲間の反応って・・・。
「・・・・・・はぁあっ? 乙女流っスかぁ・・・・・・?」 (-_-;)
oogaki30.jpg【こちらは、岐阜県大垣市にある大垣城】 ・・・そうは言っても、はわゆサンだって威張れたものではありません。
 御留流なるものを知ったのは、ほんの7・8年くらい前の事だったでしょうか・・・。
 当時通っていたタレント養成所が、通いなれた新宿からなんと(!)移転してしまったのです。
 ・・・今度の場所は、目白。
 しかも高田馬場からも、目白からも大体同距離と言う立地条件でありました。

 ・・・取り敢えずは、何でも試してみるという友人と二人。

 行きは、目白駅から。
 帰りは、高場の馬場から帰ってみる事にしたのです・・・。

 イヤー・・・。 その時の、衝撃って・・・・・・。
 何でたかが住宅に、こんなデッカい木が何本も植わってんのーっっ??? ・・・・・・とか。
 もう、こりゃ洋館だよー。
 一体どんな人が住んでんだよー・・・・・・とか。 (そりゃ、金持ちだって。 ^_^; )
jeJw_Q.jpg【おとめ山公園周辺は、だいたいこんな風景が続きます】 紆余曲折が、ございました・・・。
 昔から目白に住んでいる・・・という、知り合いに聞いたところ、もちろん、裕福な方が多く住む土地柄ではあるという事ですが、もう一つ。
 この辺りは、『御留山』だったのだ・・・そうな。

 この『おとめ山公園』については、こちら
 ・・・・・・でも。 こんなリンクを貼るのって、はわゆサンくらいかなぁ。 (^_^;)
 現在は公園として残されているそうですが、昔は『御狩場』だったんですね・・・。

 今回、面白がって調べてみたのですが、イヤー、出るは、出るは・・・。
 この、『御留』シリーズ
 藩外不出とされていた武術は、もちろん。
 たとえば『御留浜(おんとめ・はま)』。
 要するに藩主用の食材専門で調達する漁港なので、庶民用には解放されていません。
 仙台藩では、ここで捕れる食材の総てを「藩主の食事用」か、「贈答用の物」として扱っていたのだそうです。
 それでも長崎貿易が盛んな頃には、『アワビ』や『なまこ』を(長崎藩が転売という手法で)御留浜で捕れた物でも、海外に輸出をしていたとか。
 そして不漁な時には、いくら幕府から求められても、藩主の食事用や贈答用の物の方が優先されました。
ltiCUEI6.jpg【公園内はこんな感じで、山の中に迷い込んだように思えます】 そしてそれは、江戸幕府も認めていたそうなんです。
 領外移出の場合には、キチンと請負人が決められていたそう。 
 もちろん、請負人以外の移出は認められていなかったとか。
 また、『御留窯(おとめ・がま)』、『御留紙』、『御留色』など。
 ようするに、そこ専用・・・という意味にあたるのですが。
 たとえば『御留色』は、歌舞伎の義太夫の肩布紹介のHPで見つけました。

『市川の家の御留色の肩衣』は、市川家以外の者は着てはならない・・・という、暗黙の了解とでも言いましょうか。 そういうのがかつて、あったそうです。

 ・・・ですが今では余り、そんな事を言う方もなくなった・・・と紹介されておりました。
 色々、時の移り代わりもあるようです。
 御留流については、またいつか。 それでは、みなさま。 良いお年を! 

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